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SL-GMS 基本機能の概要

多彩な監視制御画面が、快適で効率的なオペレーション環境を実現します。

SL-GMS は、プラント内のタンクやコントロール・パネル、交換機や信号機をはじめとする各種装置など、リアルタイムな動きを持ったグラフィックス表現を豊富に持っており、監視制御の生産性を向上させています。

色彩の変化や点滅で発生している事象の緊急度を表現することができるばかりでなく、たとえば、緊急事態を示すアイコンを動的に生成して故障や事故を通知することができます。また、任意の形状のグラフィックス・オブジェクトに入力属性を持たせることができるので、故障の発生した機器や事故現場を画面上でクリックして、トレンド・グラフなどの情報画面や設定画面、テレビ・カメラからの映像などを開き、対話的に操作ができるようになっています。

さらに、配電やパイプライン網、機器ネットワークや道路・鉄道交通網を実際の地図上に表現するといった用途に応えるため、国土地理院などの数値地図データを SL-GMS 画面に変換して最適化し、高度な地図/ネットワーク管理アプリケーションを構築することができるツール製品までを提供しています。

高性能なリアルタイム・グラフィックス・エンジンを備えた専門ツール: ミリ秒単位で画面を更新

監視制御システムにとって、事象がリアルタイムに表示されることが第一の必須条件です。さらに、オペレータがより多くのデータ・ポイントを監視でき、さらに緊急事態での迅速かつ的確な対応を可能にする直感的なグラフィカル・インタフェースが必要です。

完全なオブジェクト指向アーキテクチャを C 言語で実装し、コンパクトで高速なグラフィックス・エンジンを実現した SL-GMS。限りなく現実の事象変化に近い速度でグラフィカルに表示することに、1983年以来力を注ぎ続けてきた専門ツールです。その高性能のダイナミック・グラフィックス・エンジンは、厳しいリアルタイム条件を持つ監視制御システムの数々で長年に渡って使い込まれ、繰り返し最適化されてきたものです。「ミリ秒単位」でのグラフィックス更新(=データ入出力)はもちろん、豊富な動的表現が可能であり、画面のズーム/パンも非常に高速に行なえます。

SL-GMS では、膨大なデータ処理と、多様なアプリケーションで要求されるパフォーマンスを最大化するための多種技法が厳重に組み込まれおり、特に、刻々と変化するデータ変数を大量に数多くの異なる画面に表示させるといった大規模なシステムで、その威力を発揮します。

また、継続的なメモリ配置やインスタンス情報の圧縮などによるパフォーマンスの最適化機能が、シビアなリアルタイム性が要求されるデリバリ (実行) システムのニーズにもお応えします。

SL-GMS が制御を担っているシステムでは、監視データ・ポイントが数千から数万、さらには 10 万点を超えるものもあり、画面数も数百から 1000 枚に達します。

大規模システムからタブレットまでのスケーラビリティを提供する SL-GMS  CONVEX 電力供給
コントロール・センター


強力なダイナミック・グラフィック・エディタ 「SL-GMSDraw」 で表現豊かなオペレータ画面を作成

動的属性を持った個々グラフィックス・オブジェクトの作成から、画面レイアウト、多数画面の関連性、地図応用まで、豊富なグラフィックス表現を対話的に作成し、指定した動作のテストまでできるのが SL-GMS のダイナミック・グラフィック・エディタ 「SL-GMSDraw」 です。

たとえば、右図のようなメータを作成したい時は、矩形、線、孤、文字列といったそれぞれのプリミティブなオブジェクトを思いのままに組み合わせるだけです。さらに、データの変化に応じてリアルタイムに図形を動かすダイナミックスを、SL-GMSDraw エディタ内で簡単に付け加えることが可能です。また同図のようなプラントのタンクは、エディタの「プリミティブ」メニューで矩形を選択し、「フィル」メニューで好みの色で塗りつぶし、「ダイナミックス編集」 メニューで入ってくる数値にあわせてその水位を変えるよう 「フィル%」 コマンドを入力するだけです。そして、「プレビュー」コマンドで、アプリケーションとリンクする前に、その動きを即エディタ内で確認することができます。さらに、単にマウスでメータとタンクを選択してグループ化するだけで、互いに連動する様子をすぐに見ることができます。

■ ネイティブ・コントロール:

SL-GMS のモデルに、Windows や Motif のネイティブなコントロール・オブジェクトを統合することができ、SL-GMSDraw の簡単な操作で配置できます。SL-GMS で提供しているネイティブ・コントロールは動的属性を持っており、また Windows と Motif 間で互換性があり、SL-GMS が自動的にそれぞれ固有のルック&フィールに変換して透過的に制御しています。したがって、開発者は下位にあるウィンドウ・システムでのプログラミングから完全に解放されます。

さらに、「SL-GMS ECP 拡張コントロール・パッケージ (オプション製品) 」では、大量で複雑なデータやデータ間結び付きを表現するための、テーブル(表)とツリー・コントロールを提供しています。ユーザ定義型のデータやコールバック関数などにより、大量のデータでも非常に高速、柔軟かつ明瞭に処理できます。

たとえば、右図のようなメータを作成したい時は、矩形、線、孤、文字列といったそれぞれのプリミティブなオブジェクトを思いのままに組み合わせるだけです。さらに、データの変化に応じてリアルタイムに図形を動かすダイナミックスを、SL-GMSDraw エディタ内で簡単に付け加えることが可能です。また同図のようなプラントのタンクは、エディタの「プリミティブ」メニューで矩形を選択し、「フィル」メニューで好みの色で塗りつぶし、「ダイナミックス編集」 メニューで入ってくる数値にあわせてその水位を変えるよう 「フィル%」 コマンドを入力するだけです。そして、「プレビュー」コマンドで、アプリケーションとリンクする前に、その動きを即エディタ内で確認することができます。さらに、単にマウスでメータとタンクを選択してグループ化するだけで、互いに連動する様子をすぐに見ることができます。

図形の形と動的属性をカプセル化し、アプリケーションから独立したグラフィックスを実現

オブジェクト指向の SL-GMS では、図形の編集時にその動的属性を「ダイナミックス」としてカプセル化できるので、プログラムで図形をどのように動作させるのかを記述する必要性はなく、単に対象としたい図形に対してデータを与えるだけで、自動的にその動作が行なわれます。したがって、図形の形やその動的属性を変更しても、プログラムは影響を受けません。この独立性が、監視制御システムの拡張・変更へのスムーズな追随、仕様が異なる個々の顧客プロジェクトへの展開を可能にしています。SL-GMS のダイナミックス変数によって変化させることができるグラフィックス形状の属性は、以下の約 60 種が用意されています:

  • [属性変換] 塗りつぶしの色に変える、領域を%単位で塗りつぶす、線幅を変えるなど。
  • [図形変化] 移動する、回転させる、大きさを変えるなど。
  • [特別なアクション] ユーザの関数を呼び出して実行する、再表示する、任意の文字列を設定するなど。
  • [グラフ] データをプロットする、プロット数を定義する、目盛を定義するなど。

たとえば、ロボットの腕全体を動かす場合、肘と手首を意識せず一つのグループ化したオブジェクトとしてダイナミックスを付け、肘と手首それぞれのダイナミックスはネスト化されるので、設定し直すことなく腕全体の動きと相対的に肘と手首が動きます。このように、複雑な動的属性も容易に作成できます。

さらに、ユーザ独自の動的属性を定義することもでき、動的振る舞いを拡張・最適化することが可能です。

完全にカスタマイズ可能なクラス・オブジェクトで個々の顧客プロジェクト要求に迅速に対応

SL-GMS では、あらかじめ数百種のメータやグラフ、次の画面を呼び出すボタン、ズーム/パン、ネットワーク・ノード/コネクタなど、動的属性を持った図形や操作をカスタマイズ可能な「クラス・オブジェクト」として用意しています。たとえばネットワーク・ノードをマウスで画面上に貼り付けるだけで、そのインスタンス(属性を継承したクラスの一要素) のノードを次々と作成し、個々ノードのグラフィックス形状と属性を変更すれば、プログラミングをすることなく要求仕様通りの画面を構築できます。

それぞれのインスタンスは固有の属性を持つことができ、独立したダイナミック変数に接続することができます。

同様に、トレンド・グラフや時間軸などの動的属性を持ったリアルタイム・プロットグラフなども SL-GMS であらかじめ用意された各種のグラフのクラス・オブジェクトを活用し、複数軸、複数プロット、プロフィール・バーなど、複雑なグラフの作成も、クラス・オブジェクトをエディタ内でカスタマイズするだけで、簡単に作成することができます。

さらに、SL-GMS の画面ならびに構成オブジェクトはクラス階層化され、共通の属性は同一の定義を参照するので、データ領域も最小限になります。

多数画面を自動的に管理する「ステート管理システム」

SL-GMS では、多数の画面を状態 「ステート」 として高レベルで自動的に管理するシステムによって、すぐ使える多数のステート・クラスとメソッドを用意しています:

  • アプリケーション画面全体の画面遷移
  • ウィンドウの生成・操作
  • マウスやキーボードの操作またはアプリケー ション・プログラムから得られたデータに従った画面の表示/非表示/表示の切り替え/移動
  • ズーム/パン
  • イベント処理
  • データソース管理  など。

以上をはじめとする豊富な画面管理機能を、それらを活用したアプリケーション・フレームワーク・サンプルとともに提供しています。これにより、優れた対話性を持つアプリケーションの画面状態管理に必要なプログラミングを削減しています。

たとえば、クラス・オブジェクトとして用意されている 「ポップアップ・メニュー1」 ボタンを画面上にペーストして、そのダイナミックスを 「変数名の変更」 メニューで表示したい画面の名前 「popup1」 を指定するだけで、画面の移動ができます。

アプリケーションへの統合を容易にするインテグレーション・ツール群

SL-GMS で作成したグラフィカル・モデルは、監視制御システム・プログラムと簡単に連結することができます。また、データベースや XML ファイルなどから得られたデータを容易に反映させることができます。

さらに、SL-GMS を実際に実世界に統合するにあたっての技法を示し、また実際の開発にも活用できる多種フレームワーク・サンプルや各種ツールを揃えています。WMF (Windows メタファイル) 変換、AutoCAD ファイルからの DXF 変換ツール、MFC や Visual Basic との統合、.NET アプリケーションの構築などがこれらの一例です。

制御システムで要求される仕様として、アプリケーションで監視する変数リストをプロセス図画面から決定し、そのリストをプログラムから制御するという機能があります。 SL-GMS では、変数リストをモデルに関連付ける作業を容易にするさまざまな変数登録の技法を提供しています。

SL-GMS では、モジュラでメモリ・ベースのテーブル駆動インタフェースを使ってアプリケーション・データをリンクし、小規模から大規模に至るデータソースを効率良く管理します。よって、ユーザが開発するグラフィックス画面それぞれに特有のデータ処理モジュールを書く必要はなく、アプリケーションのデータに動的グラフィックスを簡単にリンクすることができます。

エンドユーザ向けのカスタム・エディタを構築

SL-GMS では、Custom Editor オプション製品によって、監視制御アプリケーション固有のエンドユーザ顧客やフィールド・サポート向けカスタム・エディタ (ポイント&クリック操作の編集環境) を容易に構築して提供できます。SL-GMSDraw をベースにしたテンプレート2種類が用意されており、専用のカスタマイズ・ライブラリを使って機能を追加・削除しながら、エディタの構成を目的に合わせて変えていきます。



変化する環境技術から監視制御グラフィックス資産を守る「統一されたソリューション」

SL-GMS 製品ラインアップでは、Windows - MFC、UNIX/Linux - Motif、C/C++、Java、Microsoft .NET で統一されたソリューションを提供し、3種類の開発パッケージ 「SL-GMS C++/Developer、J/Developer、Developer for .NET」 で作成したグラフィックス・モデルは相互で利用可能です。それぞれの開発パッケージは、SL-GMSDraw ダイナミック・グラフィック・エディタと、C/C++、.NET、Java アプリケーション開発それぞれのニーズに対応したライブラリ、ツール、フレームワークで構成されています。

プロセス制御 (DCS/SCADA) 製品では、エンドユーザがパレットから機器装置を選択してプロセス画面を構成し、タグ・データソースと接続できる専用エディタの提供で、また通信ネットワーク管理製品では、地図背景を選択したり、ネットワーク記号を作成・カスタマイズできる専用エディタの提供で、活用されています。

SL-GMS 開発ツール製品ラインアップ
  • SL-GMS C++/Developer: C/C++ 開発者向け SL-GMS
  • SL-GMS Developer for .NET: Microsoft .NET フレームワーク対応 SL-GMS
  • SL-GMS J/Developer: Java 開発者向け SL-GMS
  • SL-GMS C++/Map: 地図アプリケーション構築ツール(拡張オプション製品)
  • SL-GMS C++/Net: ネットワーク管理アプリケーション構築ツール(拡張オプション製品)
  • SL-GMS J/Net: Java ネットワーク管理アプリケーション構築ツール(拡張オプション製品)
  • SL-GMS Custom Editor: C/C++ カスタム・エディタ構築ツール(オプション製品)
  • SL-GMS Custom Editor for .NET: Microsoft .NET カスタム・エディタ構築ツール(オプション製品)
  • SL-GMS ECP: C/C++ 拡張コントロール・パッケージ(オプション製品)
  • SL-GMS 日本地図変換ツール(オプション製品)
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